《今週の注目点》
今週は英国で重要な指標が多数発表される。英中銀は、10日の金融政策委員
会(MPC)で資産購入の延長を見送ったが、16日に公表した四半期物価報告で
は、インフレ率が恐らく2年以内に目標を下回る水準まで低下するとの認識
を明らかにし、景気見通しについては弱気な見方を示した。今年に入って
ポンドは、緩和策終了への思惑と相対的な安全通貨として対ドルでも1.6300
付近まで堅調に推移してきたが、この物価報告以降は急激に下げ幅を拡大
し、現在1.57台前半まで下落している。現在英国はインフレ懸念が高まる
なか、成長率が2期連続でマイナスとなるなど、難しい選択を迫られている。
今後、英国指標を中心に英国景気の先行きと金融政策動向を探ることとなる
が、今週はやはり23日公表の英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨の内容を
中心にポンド相場が展開することとなりそうだ。前述の通り、この会合では
一部メンバーがインフレ警戒の口調を強めたこともあり、約7カ月続けた
量的緩和をいったん停止する決定を下している。23日公表の議事要旨では、
各メンバーの景気見通しなどに注目が集まる。また、この議事要旨公表に
先立つ22日には(英)消費者物価指数(CPI)が発表される。市場予想も前年比
で3.1%と依然高いものとなっているが、2.0%台へ鈍化して発表されるよう
なら、緩和期待からポンドは急落しそうだ。そして、24日の四半期国内
総生産(GDP、改定値)でも英国のリセション入りを確認することとなる。
国内では、日銀金融政策決定会合が22日〜23日にかけて開かれる。一部に
は「準備預金の付利0.1%を引下げ」などの憶測も流れていたが、17日の米
系シンクタンクレポートで「政策維持」と報じられ、大幅な円高の1要因と
なっていた。確かに、先日の総合的な物価指標を示すGDPデフレーターでも、
1-3月が前期比0.0%と13四半期ぶりプラスとなっており、日銀の強気な見通し
が裏付けられた形となっている。ここで日銀が追加緩和のカードを切って
くるとは考えづらい。おそらく内容に大きな波乱はないものと思われるが、
景気判断の上方修正などがあれば、円の強気筋を後押しする可能性がある
ため注意したい。ドル円では77円台から78円台にかけて政府・日銀による
為替介入警戒感が高まっているが、トレンドはなお下方向で、相場は慎重
に下値を探ることになりそうだ。
欧州では、23日に欧州連合(EU)非公式首脳会合は開かれ、ギリシャ問題へ
の対応を中心に市場の関心を集めている。週末のG8ではギリシャが引き続き
ユーロ圏にとどまることを促すとともに、欧州債務危機によって脅威にさら
される世界経済再生のため必要なあらゆる措置を講ずるとの宣言が採択され
ており、本会合でもその路線に沿うと思われる。要人の発言などから市場に
楽観視が広がれば、ユーロは買い戻しの好機になりそうだが、やはり上値
には慎重さも残るであろう。指標では24日の独5月IFO企業景況感指数など
が主要なところとなる。 米国指標では、5月リッチモンド連銀製造業指数、
4月米中古住宅販売件数(22日)や米新築住宅販売件数(23日)、米耐久財受注
額(24日)あたりが主要なところとなる。いずれも米株式市場を中心に影響を
与えそうだが、5月フィラデルフィア連銀業況指数の予想外の悪化もあり、
5月リッチモンド連銀製造業指数には注目したい。
【今週の注目通貨ペア】ユーロ円
EURJPYは、今年1月から3月にかけて続いた上昇基調を終え、一転下降トレ
ンドを鮮明にしている。3月21日の高値111円42銭は、2011年10月31日につけ
た111円56銭に迫るものだったが、上抜けることはできなかった。2月に発表
され市場にインパクトを与えた日銀の緩和策もその効果が薄れ、一方で混迷
度を増す欧州債務問題は、ギリシャを筆頭に泥沼化の様相を呈している。
特に直近ではギリシャ総選挙でこれまで緊縮財政路線を進めてきた新民主
主義党(ND)を中心とする連立与党が過半数をとれず、緊縮財政路線に反対し、
ユーロ圏からの脱退をも辞さないギリシャ急進左派連合が第2党に躍進して
いる。すでにギリシャは6月17日の再選挙が濃厚となっているが、それまで
ユーロは上値の重い展開が続くこととなりそうだ。ただ、ギリシャの財務
再建難航が織り込まれる一方で、ギリシャのユーロ離脱は非現実的との見方
が大勢を占めている。ギリシャ国内の実務的な問題もさることながら、万一
ギリシャが債務不履行となれば、巨額のギリシャ向け融資を保有する欧州
各国の金融機関が危機に瀕することになるためだ。欧州中核国も簡単に
ギリシャを見捨てることはできず、救済方向で協力するだろうとの思惑が
今のところユーロの下支え要因になっている。
また週末G8の宣言や、ギリシャの急進左派連合党首であるツィプラス氏が
「再選挙に勝利しても、ユーロ圏から離脱することにはならない」との見解
を示したこともユーロの楽観視をやや強めている。直近2週間のユーロは
対ドルで急激に下落してきたが、1.26台後半ではさすがに買いも厚く一旦
下げ足を止め、先週金曜の海外市場ではユーロの買い戻しも見られている。
一方、ドル円は政府・日銀による覆面介入への警戒や好調な米指標を背景に
したドル高で底堅い展開が続いていたが、17日の米5月フィラデルフィア
連銀業況指数のネガティブサプライズをうけて、2月17日以来の安値となる
79円13銭まで一気に下抜けとなった。これでユーロ円も下げ足が速まり、
2月7日以来なる100円54銭をつけることとなっている。100円台後半は2012年
の最安値圏(100円74銭)でもあり、重要なテクニカルレベルと考えられる。
ドル円では79円付近で政府・日銀による覆面介入の噂もあり、下値に慎重に
なる可能性があるが、先週金曜は78円99銭まで下押しした。ユーロドルの
堅調が持続するようなら、ユーロ円もやや強含みを見せるかもしれない。
上値方向へのトレンドは予想しづらいが、調整からの買い戻しとなった場合
は、101円台後半レベルで頭の重さを見せ始めるのではないだろうか。反対
に、欧州債務問題の深刻化によるリスク回避や、ドル円での介入が観測され
ない場合にはユーロは対円でさらに下値を探ると思われ、まずは心理的節目
となる100円00銭が、続いて99円台前半がターゲットになってくると思われる。
投資信託の仕組みと活用のポイント

